九州旅客鉄道(JR九州)と太陽光発電設備の企画・建設などを営むウエストホールディングス(WEST)は、日豊本線佐土原駅構内の使用停止レール上に太陽光発電システムを設置し、駅照明等の電力を再生可能エネルギーで賄う実証実験を開始した。
太陽光発電設備は屋根や空き地への設置が主流であるが、本実証システムは、新たに土地造成などを行わずに発電設備を構築できる点が大きな特徴である。駅構内の使用停止レールを活用した太陽光発電は国内初の取り組みである(両社調べ)。 実証試験では、発電出力4.97 kW、年間想定発電量約6,500 kWh(CO2削減量:年間5 t)を見込んでおり、発電した電気は駅の照明や設備の電力供給に活用される。実証技術の開発はWESTが担当し、太陽光モジュールの設計とレール取付金具の開発を行った。JR九州は実証フィールドの提供と設備設置工事を担当した。今後は、設置状態や発電効率の検証を通じて、鉄道施設への再エネ導入の可能性を探るという。
本FSは、国土交通省「鉄道脱炭素施設等実装調査」に基づく補助事業として実施されている。