環境省は「漁業者と自治体の協力による海洋ごみ回収マニュアル」を公表した。令和元年5月の「海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」と「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」において、漁業者の協力による、操業時や海底ごみ清掃時に回収した海洋ごみの、漁業者への負担に配慮した持ち帰り促進の取り組み推進が位置付けられている。海岸に漂着するごみに比べ、海面に漂うごみや海底に堆積したごみは回収が難しく、同省では漁業者が回収した海洋ごみの自治体処理費用の一部を補助している。また、効果的な実施と他自治体への横展開を促し、漁業者の海洋ごみ回収実態把握のため、令和2年度から7つの実証地域で調査を開始。今回、回収から処理までに発生する課題の解決や、海洋ごみの発生源特定などの検討のためにマニュアルを策定した。同マニュアルでは、海洋ごみ対策に取り組む漁業者をはじめ、それを支援する自治体、漁業協同組合、NPOの民間団体等に対し、先行事例から、海洋ごみ回収の留意事項を取りまとめた。漁業者が操業中や海底清掃時にボランティアで回収した海洋ごみを持ち帰る取り組みを想定しており、漁業を営む個人だけでなく、漁業協同組合、漁業生産組合、会社、家族・共同経営等の団体で漁業、養殖業に従事する者も対象としているという。