横浜国立大学の跡部教授と信田准教授らの研究グループは、大阪大学、京都大学、岡山大学、東京工業大学と共同で、電気エネルギーを活用した革新的な医薬品関連物質の化学合成技術を開発した。この技術は、ピリジンなどの窒素含有芳香族化合物を効率的に還元し、高付加価値の環状アミンであるピペリジンを合成する新たな手法である。従来の方法では高温・高圧条件や酸の添加が必要だったが、この新技術は常温常圧で添加物不要のため、エネルギー消費や環境負荷を大幅に削減できる。アニオン交換膜を用いた電解リアクターによる有機電解合成プロセスは世界的にも前例が少なく、電気エネルギーを活用した環境負荷の小さい革新的反応系を提案している。―――この技術はロジウム触媒を使用し、ピリジンをピペリジンへと高効率で変換する。さらに、キノリンやピラジン、ピロールなどの他の窒素含有芳香族化合物にも応用可能で、その汎用性が高いことが示されている。実験スケールの拡大にも成功し、グラムスケールの合成と300時間を超える連続運転が可能であることを実証した。この技術は、特にファインケミカルや医薬品の分野で大きな需要が見込まれ、化学品の持続可能な生産を実現するための新たな基盤技術として期待されている。
情報源 |
横浜国立大学 プレスリリース
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機関 | 横浜国立大学 |
分野 |
環境総合 |
キーワード | ロジウム触媒 | 環境負荷削減 | アニオン交換膜 | 電解合成 | ピリジン | ピペリジン | 環状アミン | 窒素含有芳香族化合物 | 持続可能な生産 | ファインケミカル |
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