大阪大学大学院理学研究科の研究グループは、生分解性ポリマーに特異な分子設計を施し、従来の8倍以上の強靭性と20倍の分解性・再利用性を実現したポリマー材料を開発した。ポリマー鎖間に「紐が輪を貫通した構造」を有する可動性架橋を導入し、強靭性と分解性の両立させるため、研究グループは、リパーゼを用いた酵素触媒分解技術を活用し、ポリマー材料の再構築を成功させた。分解後の低分子量体は再重合によりリサイクル可能であり、別種のポリエステルや無機ポリマーとの共重合によるアップサイクルも可能となった。本研究は、使用後のポリマー材料が廃棄物ではなく、再利用可能な資源として再定義される道筋を拓くものであり、資源循環型社会の実現に向けた新たな視点と資源価値を提供することが期待される。なお、本研究成果は、2024年10月30日にCell Press「Chem」に掲載された。