三重大学大学院生物資源学研究科の研究チームは、伊勢湾に生息するスナメリの社会行動をドローン観測と音響録音を用いて調査した。──スナメリは、ネズミイルカ科に属する小型のイルカ。研究チームは、スナメリの行動、個体間距離、鳴音の可聴範囲に注目し、単独性と群居性の両方の特性を持つ社会を持つ可能性を示した。ドローンによる観察と船舶からの録音データを分析した結果、個体間距離の分布は平均6 mと約70 mの二峰性を示し、近距離にいる2~3頭の間では頻繁に社会行動が記録された。この観測結果は、これまで単独生活者と考えられていたスナメリが、2~3頭で頻繁に社会行動を行う群れ生活者としての一面も持つことを裏付けるものである。また、絶滅危惧種であるスナメリにとって水中の音環境が重要であり、人工騒音が彼らに与える影響が想定以上であることが示唆された。この研究成果は、スナメリの生態の理解を深め、沿岸域での人間活動が彼らに与える影響を評価するための基礎的な知見となるもので、2024年9月14日に国際学術雑誌「Behavioural Processes」にオンライン掲載された。
情報源 |
三重大学 プレスリリース
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機関 | 三重大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 絶滅危惧種 | 生息環境 | スナメリ | 社会行動 | ドローン観測 | 音響録音 | 群居性 | 単独性 | 人工騒音 | 鳴音 |
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