龍谷大学先端理工学部の岸本准教授(新潟大学生物多様性科学研究センター兼任研究員)らは、絶滅危惧種「サドガエル」が非灌漑期に生息する場所(以下「越冬場所」)を特定した。──ニホンアマガエル等は、田んぼの土中や水路の泥の中、または落ち葉や枯れ草の下など、湿度が高くて寒さをしのげる場所を選んで冬眠している。岸本准教授らの研究グループは、植物が密生した草地内の「枯れ草で覆われた水域」がサドガエルの越冬に適していることを解明するために、4つの植物被覆を操作した野外操作実験を実施した。各植物被覆条件下のデータを収集し、解析した結果、稲刈り直後は水路や田面を利用し、冬が近づくにつれ耕作放棄地やその脇の土水路に高頻度で出現することが明らかになった。また、植物が密生した草地内の「枯れ草で覆われた水域」で、多くの冬眠個体が確認されたことから、サドガエルは越冬場所として「耕作放棄地を利用」していることが分かった。──本成果は、サドガエルの越冬には放棄地内部に残された湿潤な環境だけでなく、植物が密生した草地で枯れ草などに覆われた水域が必要であることが示している。サドガエルのみならず、水田に生息する水生動物の生息に配慮した水田整備や、水田生態系保全のあり方を検討する上で重要な知見のひとつと思われた。
情報源 |
龍谷大学 ニュース
新潟大学 ニュース |
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機関 | 龍谷大学 新潟大学 長野大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 水田 | 絶滅危惧種 | 生息環境 | 耕作放棄地 | 野外実験 | 保全策 | サドガエル | 非灌漑期 | 越冬場所 | 水生動物 |
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