京都大学大学院理学研究科の澤田氏(当時修士課程学生)らの国際研究グループは、ハリガネムシに感染したカマキリが水平偏光を反射するアスファルト道路に引き寄せられ、多くがハリガネムシとともに斃死している可能性があることを指摘した。──この研究は、ハリガネムシに感染したカマキリがアスファルト舗装の特性によって進化的トラップに陥ることを実証したもの。「進化的トラップ」とは、生物は本来の環境キュー(光、匂い、水や風の流れなど)に基づいて行動しているが、その行動が人間活動による環境改変によって不利益となる現象のこと。本研究は、寄生生物が宿主を介して進化的トラップに陥ることを示す初めての成果であり、生物多様性喪失の知られざる要因を明らかにしたものとなる。研究成果は米国の国際学雑誌「PNAS Nexus」にオンライン掲載された。
情報源 |
神戸大学 プレスリリース
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機関 | 神戸大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 生物多様性 | 生態学 | 寄生生物 | 進化的トラップ | 水平偏光 | アスファルト道路 | 環境改変 | 宿主操作 | 行動実験 | 偏光度 |
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