東京科学大学(Science Tokyo)医歯学総合研究科らの研究グループは、暑さにさらされることが喘息による入院リスクを高めることを明らかにした。──気候変動が進行する中、極端な暑さが喘息などの気管支系の疾患に与える影響を定量的に評価する手法が求められている。研究グループは、2011年から2019年までの全国規模の入院データと気象データを用いて、暑さが喘息による入院リスクにどのように影響するかを調査した。その結果、極端な暑さにさらされた場合、喘息による入院リスクが1.22倍に増加することが明らかになった。また、14歳以下の子どもにおいてはリスクが1.33倍に増加することが示された。さらに、気温の上昇幅が最も大きいシナリオ(SSP5-8.5)における気温と人口の将来予測データを活用し、シミュレーション解析したところ、2090年代の暑さによる喘息患者の入院数は4.19倍(2010年代比)に増加すると予測された。この結果は、気候変動により暑い日が増えると予想される中、医療機関が暑さを原因とする喘息患者の入院増加に備える必要性を示唆している。──研究グループは、今後、小児科を中心とする医療機関では、暑さが引き起こす喘息リスクに対応する能力を強化する必要があると考察している。医療従事者が患者やその家族に対し、暑さによる喘息リスクを考慮した治療計画を提案するや、暑さに伴う喘息入院の増加を見据え、入院医療体制の整備などを行う必要があると提言している。
情報源 |
Science Tokyo ニュース
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機関 | 東京科学大学(Science Tokyo) ジョンズホプキンス大学公衆衛生大学院 |
分野 |
地球環境 ごみ・リサイクル |
キーワード | 気候変動 | シミュレーション | 極端気象 | 喘息 | 医療体制 | 人口動態 | 熱中症警戒アラート | 気温予測 | 入院リスク | 暑さ |
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