日本製鉄は、水素による高炉でのCO2削減技術を確立し、脱炭素技術開発において世界のトップランナーであることを誇示している。──同社は、「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」を掲げ、国の支援を受けながら「高炉水素還元」技術の開発に取り組んでいる。これまでの高炉プロセスでは、石炭(炭素)を用いて鉄鉱石の還元・溶融を行っていたが、石炭による還元は発熱反応であるのに対し、水素による還元は吸熱反応であるため、還元反応が進みにくいという技術課題があった。同社は、東日本製鉄所君津地区の水素還元試験炉で、加熱した水素を使用してCO2を削減する技術(Super COURSE50技術)の試験を2022年5月より実施し、2022年に22%、2023年に33%のCO2削減を達成してきた。今回、試験炉では世界初となるCO2削減40%超(実績値43%)を実現した。──今後、スケールアップ技術の開発など、製鉄プロセスからCO2排出を50%以上削減する技術の開発を進め、大型高炉での実用化に向けた取り組みなどを加速していくという。