ヘリウムの用途は、声が変わるパーティーグッズだけではない。磁気共鳴画像装置(MRI)や半導体・光ファイバー製造プロセスの冷却剤として、さまざまな産業で利用されている。天然ガスには0.5%から1%のヘリウムガスが含まれており、それを分離・精製する方法が商業ベースで行われている。他方、窒素ガスが胚胎する地層(窒素ガス田)に井戸を穿ち、ヘリウムガスを抽出する方法もある。──ENEOS Xploraは、カナダを拠点とするヘリウム探鉱・開発企業であるHelium Evolution Incorporated(HEVI社)に、アメリカ法人ENEOS Xplora USA Limitedを通じて約2.7百万カナダドル(約2.7億円)の出資を行うことを決定した。天然ガスの副生成物として採取するためにはGHGの排出を伴う。一方、窒素ガス田から抽出されるヘリウムはGHGの排出が少ないため、炭素強度の少ない「グリーンヘリウム」と呼ばれている。同社は、グリーンヘリウムの環境優位性に着目し、今回の出資を決定した。──世界のヘリウム需要は堅調に推移しており、半導体製造、光ファイバー製造、医療向けなどの幅広い用途があることから、今後も長期的な成長が見込まれる。今回の投資は、ENEOS Xploraとして初となるヘリウム事業への参画であり、グリーンヘリウムの供給を通じてヘリウム業界の低炭素化に貢献する。ENEOS Xploraは、従来の石油・天然ガスの開発・生産事業に留まらず、カーボンニュートラル社会の実現に向けて積極的に取り組んでいく。──【HEVI社の概要】カナダのサスカチュワン州南部でのヘリウム開発に注力しており、北米で最大のヘリウム鉱区を保有している。同社は、ヘリウムの胚胎が確認されている500万エーカー以上の面積を持つ鉱区において、探鉱および開発活動を行っている。
情報源 |
ENEOS Xplora
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機関 | ENEOS Xplora(株) |
分野 |
環境総合 |
キーワード | 持続可能 | 環境配慮型 | カーボンニュートラル | 天然資源 | 低炭素化 | グリーンヘリウム | 窒素ガス田 | 半導体製造 | 光ファイバー製造 | 医療用途 |
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