「EarthCARE」衛星(愛称:はくりゅう)に搭載された「雲プロファイリングレーダ(CPR)」が初期機能確認および初期校正検証を完了し、定常運用段階に移行した。──EarthCARE(Earth Clouds, Aerosols and Radiation Explorer)は、欧州宇宙機関(ESA)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で推進しているミッションで、JAXAはCPRの開発、地上システムの開発・運用、データ提供を分担している。また、日本側の参画機関・情報通信研究機構(NICT)はCPRの性能評価、CPRデータの地上処理アルゴリズム開発を担っている。EarthCARE衛星は2024年5月29日に打ち上げられ、各観測機器の機能確認とデータ取得・初期解析を行い、期待通りの性能を発揮していることが確認された。──今回、雲の鉛直分布や上下の動きに関するCPRデータ、雲やエアロゾルの鉛直分布に関するATLIDデータ、水平分布に関するMSIデータ、地球の放射収支に関するBBRデータを含む「全センサのレベル1プロダクト」のリリースが開始された。本プロダクトのデータは、今後大気物理学的な物理量に変換され、レベル2プロダクトとして提供される予定である。──「EarthCARE」衛星の観測データはこれまで特別なユーザに対する限定的な利用にとどまっていたが、今回のリリースにより、すべてのユーザに提供されることとなった。
情報源 |
JAXA プレスリリース
NICT プレスリリース |
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機関 | 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 情報通信研究機構(NICT) |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 気候変動予測 | 観測データ | 広帯域放射収支計 | EarthCARE | 雲プロファイリングレーダ | 定常運用 | レベル1プロダクト | 大気ライダ | 多波長イメージャ | 大気物理学 |
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