気象庁気象研究所と東北大学大学院理学研究科は、日本域を対象とした詳細な気象・気候再現データセットを作成した。──気候変動研究では、数値気象モデルと観測データを用いて過去の大気状態を再現する再解析データが利用されている。再解析データは、観測が難しい物理変数や場所についての情報を提供し、気候変動の監視や過去の気象現象の理解に役立つ。──本研究では、日本域を対象とした高分解能の再解析システムを用い、過去60年以上の気候変動シグナルを抽出するためのデータセットを作成した。このデータセットは、従来の地球全体を対象としたものよりも詳細で、長期間にわたる観測データを用いることで時間的な均質性が高い。2001年7月から2021年6月までの20年間の降水量データを評価した結果、日降水量100mm以上の大雨の頻度が実際の観測とよく一致し、長期間の均質性が高いことが示された。また、過去の極端降水事例も詳細に再現されており、既存の長期再解析では扱えなかった細かい地形の影響を受けた降水分布や大雨の再現性が向上していることが確認された。──今後は、再解析期間を1958年まで遡り、過去60年以上の気候変動や温暖化の影響を把握することを目指す。また、長期再解析の技術開発を進めることで、地域的な気候変動の研究に貢献することが期待される。
情報源 |
気象庁気象研究所 報道発表
東北大学大学院理学研究科 プレスリリース |
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機関 | 気象庁気象研究所 東北大学大学院理学研究科 |
分野 |
地球環境 大気環境 環境総合 |
キーワード | 気候変動 | 降水量 | 温暖化 | データセット | 気象現象 | 観測データ | 地域気候モデル | 再解析 | 高分解能 | メソスケール |
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