新潟大学、九州大学および日本原子力研究開発機構(JAEA)の共同研究グループは、乾燥と湿潤の繰り返しが土壌からのCO2放出量を大幅に増加させることを明らかにした。──本研究は、地球温暖化に伴う極端な気象の頻発化・常態化を視野に入れたものとなっている。日本各地の10地点の森林土壌を対象に、洪水/干ばつのサイクルを模擬した室内実験を84日間にわたって行った結果、CO2放出量は1.3~3.7倍に増加し、微生物細胞の破壊と分解や、活性金属―有機物錯体成分の分解が進行することが判明した。また、このような変化により、土壌有機炭素の安定的な蓄積が困難となる可能性が示唆された。──今回の知見を踏まえ、新潟大学らは地球環境予測モデル(GCM)の将来的な精度低下を懸念している。今後は、実際の屋外環境における評価や詳細なメカニズム検証を予定している。