千葉大学は、同学大学院園芸学研究科の天知誠吾准教授らの研究グループが、微生物酵素による放射性ヨウ素の土壌中での安定化プロセスを解明したと発表した。福島第一原子力発電所事故により東日本の各地に降下した放射性ヨウ素のほとんどは、短半減期のヨウ素-131で、現在はほとんどが減衰している。しかし、きわめて少量であるが、半減期が1600万年のヨウ素-129も同時に放出され、現在も環境中に存在している。水に溶けたヨウ素は陰イオン形であることから、セシウムとは異なり土壌に吸着されにくいことから、放射性ヨウ素が地下水とともに移行することが懸念されている。今回、同グループでは、微生物が生産する酵素ラッカーゼが、土壌中を移行しやすいヨウ化物イオンを酸化して土壌有機物と結合させ、有機物に結合したヨウ素として土壌中で安定化させることを見出した。福島原発事故により放出された放射性ヨウ素の挙動を考えた場合、このヨウ素の安定化は、地下水や農作物への放射性ヨウ素の移行を遅らせる働きがあると考えられるという。
情報源 |
千葉大学 ニュースリリース(PDF)
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機関 | 千葉大学 |
分野 |
健康・化学物質 水・土壌環境 |
キーワード | 微生物 | 地下水 | 土壌 | 安定化 | 酵素 | 福島第一原子力発電所 | 放射性ヨウ素 | 千葉大学 | ラッカーゼ |
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