東北大学と(独)農業環境技術研究所は、根粒菌により土壌からのN2O発生を抑制できることを証明したと発表した。二酸化炭素の300倍の温室効果を有し、オゾン層の破壊の原因物質でもある一酸化二窒素(N2O)は増加し続けており、その主要な発生源は農耕地で、日本の人為発生源の26%、世界では60%を占めていることから、農耕地から発生するN2Oを削減する技術の開発が切望されている。今回、同大学と同研究所の共同研究により、N2O還元酵素活性を強化したダイズ根粒菌を進化加速によって作出し、この根粒菌によってN2Oの発生を抑制できることを実験室レベルで証明した。さらにこのダイズ根粒菌を用いて、圃場レベルでもダイズ収穫期前後のN2O発生量を大幅に削減できることを実証した。この結果は、現在有効なN2O発生削減策がない中で、共生微生物を利用した初めての生物学的N2O発生削減法として注目されている。両者は今後、実用化技術に向けた研究を早急に進めるという。
情報源 |
東北大学 プレスリリース
東北大学 プレスリリース(PDF) 農業環境技術研究所 プレスリリース |
---|---|
機関 | 東北大学 農業環境技術研究所(現:農研機構 農業環境変動研究センター) |
分野 |
地球環境 自然環境 |
キーワード | 微生物 | 東北大学 | 農業環境技術研究所 | 土壌 | N2O | 発生抑制 | 一酸化二窒素 | ダイズ | 根粒菌 |
関連ニュース |
|