龍谷大学大学院理工学研究科の村上太一氏(修士課程2年)を筆頭著者とする研究チームは、PFAS(有機フッ素化合物)の焼却試験を行い、分解処理に関する新たな知見を得ることに成功した。共同研究者には、同学科の藤森崇教授、国立環境研究所の松神秀徳主幹研究員、京都大学大学院工学研究科の高岡昌輝教授が名を連ねている。研究成果は国際科学雑誌「Chemosphere」に発表された。──PFOAおよびPFOcDAの焼却試験では、「850℃以上で高い分解率(99.999%超)を示す一方、700℃以下では十分に分解せず、副生成物の発生が増大する」ことが明らかになった。また、副生成する短鎖の有機フッ素化合物が気相中へ移行し、環境中へ排出される可能性も示唆された。藤森教授は、「燃やせば分解できて当たり前」と思われがちなテーマだが、実験デザインや分解率の定量、PFASの挙動解析などを丁寧に行った結果、得られた成果である」とコメントしている。──本成果は、PFAS問題の解決の一助となることが期待されるものであり、研究チームは今後、環境中でのPFASの残留性や生態系への影響を考慮し、より効果的な分解処理方法の開発に向けてステップアップを図る。
情報源 |
龍谷大学 ニュース
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機関 | 龍谷大学 国立環境研究所 京都大学大学院工学研究科 |
分野 |
健康・化学物質 |
キーワード | 環境汚染 | 環境影響 | 副生成物 | PFAS | 分解率 | 焼却試験 | 温度依存 | 短鎖有機フッ素化合物 | 気相移行 |
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