東京大学と九州大学の研究グループは、森林の多面的・公益的機能を再評価すべきだと主張した。──森林は木材などの資源を育む場であり、我々は水源涵養機能や土壌保全機能(以下「水土保全機能」)等の恩恵を受けている。今回、研究グループは、日本の森林政策に関わる研究者・実務者・政策決定者(以下「専門家」)、948名を対象とするWebアンケートを行い、専門家の森林の主要な機能に対する認識を調査した。その結果、専門家は水土保全機能を最も重視していることが判明し、専門性を持たない回答者でも同様の傾向が見られた。また、野生動植物保全や木材生産、地球温暖化緩和も重要視されていることが分かった。これらの知見は、森林管理における多様な価値を認識し、長期的な視野で政策を立案する重要性を示している。日本の急峻な地形では土砂崩れや洪水の防止が重要であり、森林の水土保全機能を重視することが重要だと結んでいる。──研究を主導した東京大学の森教授は、「有限の自然資本をどう大切に扱っていくかを問う重要な研究です。環境変動の時代に森林に期待されることを顕在化したことで、今後の政策や社会の在り方の参考になればと思います」と述べている。
情報源 |
東京大学先端科学技術研究センター プレスリリース
九州大学 研究情報ポータル |
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機関 | 東京大学先端科学技術研究センター 九州大学 |
分野 |
健康・化学物質 自然環境 水・土壌環境 環境総合 |
キーワード | 森林管理 | 自然資本 | 科学的知見 | 炭素貯留 | アンケート調査 | 政策提言 | 多面的機能 | 二酸化炭素吸収 | 水土保全 | 長期的視野 |
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