政府は、「海域利用促進法(正式名称:海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律)」の一部を改正する法律案を閣議決定した。海域利用促進法の目的規定は、海洋再生可能エネルギー発電事業の長期的、安定的かつ効率的な実施を促進し、経済社会の健全な発展及び国民生活の安定向上に寄与すること。経済産業大臣及び国土交通大臣が指定する「海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域」における占用計画に関する制度、当該区域における事業活動を監督なども定めている。──洋上風力発電は再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札とされており、2030年までに1,000万kW、2040年までに3,000万kW~4,500万kWの案件形成目標が掲げられている。しかし、現行法では領海及び内水における案件形成に限られており、EEZにおける案件形成が求められていた。今回の法律案には、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、我が国の排他的経済水域(EEZ)における海洋再生可能エネルギー発電設備の設置許可や、区域指定の際に海洋環境等の保全の観点から国が調査等を行うことが盛り込まれている。経済産業大臣による海洋再生可能エネルギー発電設備設置募集区域の指定、仮の地位の付与、協議会の組織、発電設備の設置の許可が含まれており、環境大臣による調査等の実施及び環境影響評価法に基づく手続の特例措置が追加された。──関係省庁(内閣府、経済産業省資源エネルギー庁、国土交通省、環境省)は、EEZにおける洋上風力発電の案件形成が進み、再生可能エネルギーの主力電源化につながることを期待している。