使用された資源をシステム内で再利用し続ける仕組み「クローズドループ(広義)」が、サーキュラーエコノミー(CE)の実現手段として注目されている。──みずほ銀行、みずほリサーチ&テクノロジーズ、みずほリース、日本軽金属ホールディングス、TREホールディングスの5社は、トラック架装に使用されているアルミニウムのクローズドループ構築に挑戦した。ボーキサイトから精製されたアルミナを電気分解し、アルミニウムの純度を99.70%以上に高め、新地金(読み:しんじがね)を精錬するプロセスは大量の電力を必要とする。日本は新地金の需要をすべて海外輸入に依存しており、リサイクルアルミの利活用と普及は喫緊の課題だ。──今回、日本軽金属グループ内で利用された廃トラックの架装部分をTREグループが解体・選別し、得られたリサイクル材を日本軽金属グループが溶解・成分分析を行い、トラック架装製造に用いる押出素材の製造までのプロセスを検証した。その結果、トラック架装に由来するアルミニウムのクローズドループ構築が可能であることが確認された。──今回の実証において、みずほ銀行は取りまとめ、みずほリサーチ&テクノロジーズは支援・助言という形で参画し、みずほリースはリースレンタル機能の提供について検討した。リサイクルアルミのクローズドループは新地金の加工・消費等にかかるGHG排出量を約1/30に削減できる(みずほ銀行ら調べ)。みずほグループはCEをサステナブルビジネスの注力領域とし、日本軽金属らはリサイクル材を用いたトラック架装の製造や商業運用に向けて検討を進め、選別技術のさらなる向上を目指すという。