早稲田大学理工学術院の所教授、佐藤氏、犬束准教授、小板講師らの研究グループは、「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)」から炭素繊維を効率的に回収する新技術を開発した。──CFRPは軽量で高い強度を持つため、航空機、自動車、風力発電、スポーツ用品など、多岐にわたる分野で使用されている。しかし、そのリサイクル方法は確立されておらず、炭素繊維の強度を維持しつつ、環境への影響を抑え、母材(マトリックス樹脂)から炭素繊維を分離するプロセスの開発が求められていた。──本研究では、「電気パルス直接放電法」という新規法を開発し、従来法(粉砕、熱分解、化学分解など)の課題を克服している。従来の破砕法に比べて長繊維で高強度の炭素繊維を回収できることが確認され、加熱や薬剤を一切必要としない。新規法ではジュール熱発熱と絶縁破壊による樹脂の気化と膨張力を活用して、炭素繊維の長さや強度をほぼ維持したまま回収するため、従来の電気パルス水中破砕法に比べて、エネルギー効率が約10倍高いことも確認された。──本成果は、CFRPリサイクルの課題であった高エネルギー消費と炭素繊維の品質低下を同時に解決できるもので、CFRP廃棄物の前処理法として有望である。リチウムイオン電池など他の複合材料や産業廃棄物への応用可能性も秘めており、幅広い分野での資源活用を促進し、持続可能な社会の実現に大きく貢献することが期待される。
情報源 |
早稲田大学 ニュース
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機関 | 早稲田大学 |
分野 |
ごみ・リサイクル |
キーワード | 風力発電 | マテリアルリサイクル | エネルギー効率 | 資源循環 | 炭素繊維 | 水素タンク | 廃棄物削減 | サーキュラーエコノミー | CFRPリサイクル | 革新的リサイクル技術 |
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