国土交通省(水管理・国土保全局 河川環境課)は、1990年度から実施している「河川水辺の国勢調査」の34年間にわたる成果を分析し、"日本の河川が生物多様性の基盤"であることを改めて明らかにした。
この調査は全国の一級河川を対象に約4,000件の生物調査を実施し、河川環境の変化を科学的に記録してきたもの。「日本産野生生物目録」等に掲載される動植物のうち、鳥類や両生類の約半数、植物の約4割が確認され、河川が多様な生物の生息地として機能していることが示された。特に、草地に生息するカヤネズミや、砂礫河原に営巣するコチドリ・イカルチドリ、河畔林を好むチョウ類(オオムラサキ、ゴマダラチョウなど)は、河川の自然度を示す指標種として注目されている。また、気候変動の影響として、温暖な汽水域に生息する魚類「テングヨウジ」や、暖地性のチョウ「ツマグロヒョウモン」の分布が北上・東進していることが確認された。さらに、特定外来生物であるアライグマやコクチバスの分布拡大も顕著であり、在来生態系への影響が懸念されている。
同省は、これらの知見を河川整備基本方針や整備計画の定量的目標設定に活用し、持続可能な河川管理の推進に資する方針である。調査結果は、河川環境データベースにて公開されている。
情報源 |
国土交通省 報道発表資料
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機関 | 国土交通省 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 生物多様性 | 特定外来生物 | 河畔林 | 外来生物 | 生態系ネットワーク | 気候変動影響 | 河川環境 | 河川整備基本方針 | 国勢調査 | 自然度指標 |
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