国土交通省(水管理・国土保全局河川環境課)および環境省は、令和6年度「全国水生生物調査」の結果と令和7年度の調査実施予定を公表した。この調査は、河川に生息する水生生物を指標として水質を総合的に評価するもので、昭和59年度から継続されている国民参加型の環境調査である。
水生生物とは、川の水中や周辺に生息する生き物であり、特にサワガニやカワゲラ類などは水質に対する感受性が高く、環境指標として有効である。調査では、全国に広く分布し、分類が容易で水質との関連性が高い29種の指標生物を対象とし、採集・同定を通じて水質を4段階(Ⅰ:きれいな水~Ⅳ:とてもきたない水)で判定する。──令和6年度の調査結果によれば、全国1,383地点で調査が行われ、参加者は38,444人に達した。うち90%の地点で「ⅠまたはⅡ」と判定され、前年より1ポイント改善した。地域別では、北陸や北海道で「Ⅰ」の割合が高く、関東や中国地方では「Ⅲ・Ⅳ」の割合がやや高い傾向が見られた。また、前年と同一地点での比較では、8%が改善、12%が悪化、80%が変化なしと判定された。
この調査は、特別な機材を必要とせず、子どもでも参加可能な点が特徴であり、環境教育や地域の自然とのふれあいの機会としても活用されている。令和7年度の調査は、例年通り夏休み期間(7~8月)を中心に実施される予定であり、全国の一級河川およびその他の河川を対象に、地域住民や学校、各種団体の参加を広く募る。調査地点の選定は参加者の任意とされ、身近な河川環境への関心を高める契機として位置づけられている。
情報源 |
国土交通省 報道発表資料
環境省 報道発表資料 |
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機関 | 国土交通省 環境省 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 水生生物 | 環境指標 | 環境教育 | サワガニ | 水質階級 | 河川水質 | 国民参加型調査 | カワゲラ類 | 河川環境保全 | 地域環境評価 |
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