産総研グループ(産業技術総合研究所および株式会社AIST Solutions)は、CO₂分離素材の性能を客観的かつ信頼性高く評価する新たなサービスを開始した。評価は、産総研東北センターおよび早稲田大学に整備された「CO₂分離素材評価センター(JEC3M)」の装置群を用いて実施される。
本サービスでは、吸収液・吸着剤・分離膜といったCO₂分離素材に対し、素材特性・分離性能・耐久性・エネルギー消費量・コストの5項目を評価。特に、独自開発の簡易評価ツールにより、エネルギー消費量とコストの試算も可能である。これにより、企業は開発段階の素材に対しても、事業化に向けた基礎データを迅速に取得できる。
新サービス展開の背景には、2050年カーボンニュートラル実現に向けたCO₂分離回収技術の社会実装というミッションがある。世界ではトン/日規模の評価設備が整備されているが、日本国内には開発段階の素材に対応できる評価基盤が存在せず、海外依存による知財保護や経済安全保障上の課題が指摘されていた。今回のサービスは、NEDO委託事業の成果を活用し、国内での評価体制を整備したものである。評価技術は、産総研、早稲田大学、京都大学、広島大学が共同で開発。吸収法・吸着法・膜分離法の各方式に対応した試験装置を用い、CO₂処理量10 kg/日以下のスケールで連続試験を実施できる。さらに、加速劣化試験による耐久性評価や、プロセスシミュレーションによるコスト評価も可能である。――産総研グループは、素材メーカーやエンジニアリング会社、CO₂資源化技術の研究者などに対し、本サービスの利用を提案している。
情報源 |
産総研 ニュース(研究成果)
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機関 | 産業技術総合研究所(産総研) |
分野 |
環境総合 |
キーワード | カーボンニュートラル | エネルギー消費量 | 吸着法 | 経済安全保障 | 技術実装 | CO₂分離回収 | 吸収法 | 膜分離法 | 評価基盤 | 耐久性試験 |
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