経済産業省は、9月15日から10月10日にかけて「東京GXウィーク」を開催する。
GX(グリーントランスフォーメーション)とは、脱炭素・経済成長・エネルギー安全保障の三立を目指す概念であり、地政学リスクの顕在化やAI普及による新たな電力需要の増加など、エネルギー政策を巡る不確実性が高まる中で、その重要性が一層高まっている。
本ウィークでは、持続可能燃料、水素、カーボンリサイクル、イノベーションの各分野に関する国際会議が集中的に開催され、各国閣僚や有識者が議論を交わす。GXの実現に向けた国際連携を促進する場として位置づけられている。
初開催となる「持続可能燃料閣僚会議」では、バイオ燃料、水素、アンモニア、合成燃料などの次世代燃料の生産・利活用拡大について議論される。これは、2024年5月の日ブラジル首脳会談で立ち上げられた「ISFM(持続可能な燃料とモビリティのためのイニシアティブ)」の推進の一環であり、2025年11月にブラジルで開催予定のCOP30も視野に入れている。
「水素閣僚会議」は2018年に日本で初開催され、今回で7回目となる。2024年10月には水素社会推進法が施行される予定であり、今回は「需要創出」をキーワードに、各国の政策進捗や国際協力の可能性について議論される。大阪・関西万博との連携も図られ、日本の技術力を発信する機会となる。
「RD20国際会議」では、G20各国の主要研究機関が登壇し、カーボンニュートラルに向けた技術開発や人材育成、国際共同研究の在り方について議論される。これは、研究開発を通じたGX推進の中核を担う枠組みである。また、「ICEF(Innovation for Cool Earth Forum)」では、GXと安全保障をテーマに、気候変動への適応や再生可能エネルギー、水素などに関する議論が行われる。日本企業の取組や成果も発信される予定である。さらに、「カーボンリサイクル産学官国際会議」では、カーボンニュートラル実現の鍵となる技術について、各国の技術開発・実証の状況を共有し、協力関係の強化を図る。ポスターセッションやネットワーキングも併催される。
経済産業省は、これらの取組を通じてGXの国際的な推進役を担う姿勢を明確にしている。