トヨタ自動車は、モビリティの未来を見据えた戦略的な投資を加速するため、「トヨタ・インベンション・パートナーズ株式会社(TIP)」を設立するとともに、グロースステージのスタートアップを対象とする「ウーブン・キャピタル2号ファンド(WC2号ファンド)」を立ち上げた。
TIPは、国内のアーリーステージ企業や発明家との事業連携を長期的視点で支援する新組織であり、トヨタグループの原点である「発明(Invention)」に立脚した価値創造を目指す。投資枠は1,000億円で、出資先にはトヨタの人材・技術・製造知見などの資産を提供し、協業による「掛け算」の価値創出を図る。特に、トヨタ・ウーブン・シティに参画するスタートアップとの連携を通じて、モビリティの創造を推進する。
一方、WC2号ファンドは、AI、自動化、気候テック、エネルギー、サステナビリティなどの分野において、事業拡大期にあるスタートアップへの投資を行う。2021年設立の1号ファンドに続くもので、総額8億ドル規模、20〜25件の新規投資を予定している。気候変動対策に焦点を当てた「気候テック」領域は、トヨタの脱炭素・循環型社会への貢献を象徴する重点分野である。
TIPの代表取締役CEOには、トヨタ執行役員であり、ウーブン・バイ・トヨタ(WbyT)の取締役兼Chief Financial Officer(CFO)を務める近健太氏が就任。近氏は「未来の発明に挑戦する仲間として、想いを共にする企業と汗をかくことが重要」と語り、TIP・ウーブン・キャピタル・トヨタベンチャーズの3社連携による戦略投資体制の強化に向けた熱意を語っている。本取り組みは、モビリティの常識を覆す技術革新と、気候テックなどを含む社会課題解決型スタートアップとの連携を通じて、トヨタグループのビジョン「次の道を発明しよう」の具現化を加速するものである。