三菱重工業(株)は、英国Foster Wheeler社と共同で、同国の電力会社、E.ON UKから、石炭焚き火力発電所向けCO2回収・貯留(CCS)装置の初期設計(FEED)を受注したと発表した。2009年6月に受注した基本設計に続くもので、FEEDでは発電プラントとCCS装置とのインターフェース、許認可関連、機器設計などを検討・実施する。これをもとに、E.ON UKでは、英国エネルギー・気候変動省が主導する大規模なCCS実証プロジェクトに入札するという。三菱重工業のCO2回収技術は、関西電力と共同開発した特殊な吸収液(KS-1)を用いるKM-CDR(登録商標)と呼ばれるプロセスで、他の方式に比べエネルギー消費量が大幅に少ないのが特長。すでに「天然ガス焚き設備」からのCO2回収では、商用プラント7基を納入するなどの実績があり、不純物の多い「石炭焚き設備」からのCO2回収についても、2006~08年に国内で実証試験を実施しているほか、米国で2011年運転開始を目標に500トン/日の実証プラントを建設中である。