三井化学(株)とその子会社の大阪石油化学(株)(OPC)、及び大阪ガス(株)は、エチレンプラントにおいてLNG冷熱を利用した大規模な省エネルギー化プロセスを導入することに世界で初めて成功したと発表した。三井化学大阪工場内にあるOPCエチレンプラントでは、ナフサ(粗製ガソリン)等を熱分解してエチレン、プロピレンなどの基礎原料を製造する工程において、各成分を分離精製するために、大型冷凍機によって製造した大量の冷熱を使用してきた。一方、近隣の大阪ガス泉北製造所第一工場では、従来から約80%のLNG冷熱を液化窒素・ドライアイスの製造などに利用しており、さらにLNG冷熱を有効に活用する方法を検討していた。そこで3社では、大阪ガス泉北第一工場より-160℃のLNGをOPCエチレンプラントに受け入れ、LNGが保有する冷熱を効率的に回収利用するプロセスを開発。2010年10月からその運用を開始し、CO2削減効果を確認した。同プロセスの導入により、OPCエチレンプラントから排出されるCO2は、年間約3.8万トン削減できるという。なお、この事業は、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「エネルギー使用合理化事業者支援事業」の下で行われた。