海洋研究開発機構(JAMSTEC)の森岡主任研究員らは、大気海洋結合モデルを用いて、2100年までの「南極の海氷変動における人為起源GHGの影響」を精査した。
南極海の海氷は、南極氷床の変動や全球の海水位に影響を与えるため、その変動を理解することが重要である。これまでの研究では、自然変動が海氷面積の増減に関与していることが報告されていたが、人為起源GHGの影響については十分に理解されていなかった。
本研究では、様々なシナリオに基づいて温室効果ガスの放射強制力を変化させた実験を行い、その影響を調査した。その結果、GHGの放射強制力が増加すると南極の海氷は減少し、2030年や2040年に緩和策を講じると2100年までに海氷が回復することが分かった。また、放射強制力を一定とした場合、海氷は海洋の深い対流の影響を受けて年々変動することや、大気の変動(南半球環状モード)により海氷が年々変動することが示された。
本成果は、緩和策の効果を示唆するものであり、今後は、南極海の海氷変動における様々なGHGの相対的な役割についてもさらなる調査が進められていく。
情報源 |
JAMSTEC プレスリリース
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機関 | 海洋研究開発機構(JAMSTEC) |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 気候変動 | 温室効果ガス | 緩和策 | 深層循環 | 放射強制力 | 大気海洋結合モデル | 南極海氷 | 南半球環状モード | 海洋対流 | 海水位変動 |
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