(独)物質・材料研究機構は、同機構のナノ材料科学環境拠点と、クイーンズランド大学電子顕微鏡センター、大連工科大学、中国科学院大連化学物理研究所が共同で、酸化物形燃料電池(SOFC)の長期安定性低下の原因を初めて解明したと発表した。これまで、SOFCを用いた家庭用燃料電池の開発や大型発電用システム開発が活発に行われているが、長時間運転時の性能(導電率)低下が、信頼性や寿命の観点で問題となっていた。今回の実験では、SOFC材料の性能低下をもたらすナノスケールの現象(結晶相転移)について、高分解能透過電子顕微鏡で観察し、その特徴を計算機シミュレーションにより解析した。その結果、性能低下の原因であると従来より指摘されてきた「酸素欠陥クラスター構造」とは異なる「新規な酸素欠陥クラスター構造」が材料内に生成し、相転移を引き起こすために、燃料電池材料の信頼性や耐久性に悪影響を与えることを初めて突き止めた。今回の成果は、独立分散電源用の高性能・高信頼性・長寿命SOFC材料の開発につながると期待されるという。
情報源 |
(独)物質・材料研究機構 プレスリリース
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機関 | (独)物質・材料研究機構 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 燃料電池 | SOFC | 物質・材料研究機構 | 安全性 | 信頼性 | ナノスケール | 酸化物形 | 酸素欠陥 | 導電率 | 相転移 |
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