(独)科学技術振興機構(JST)は、広島大学、(株)インテック及び(有)シリコンバイオが、誰でも簡単に大気中のアスベストを測定可能とする技術を開発したと発表した。アスベストは、発がん性物質として2006年に使用が全面禁止されたが、それ以前は主に建材として広く利用されていた。古い建物の解体現場などでは、作業者の安全と周辺環境のため、アスベストの飛散の有無を現場で簡便に計測する技術が求められている。広島大学とシリコンバイオ社が開発した「バイオ蛍光法」は、特殊な蛍光たんぱく質を利用してアスベストのみを蛍光顕微鏡で簡便かつ高感度にとらえるが、実際の判定は蛍光画像の目視のため、計測者によってアスベスト判定結果に違いが生じるという問題があった。そのため、熟練の計測者でなくてもルールに従ってアスベストを自動で計測できるソフトウエアを今回開発した。従来のアスベスト判定には数日を要していたが、この判定方法によれば、採取済みの大気試料から1時間程度のスピードで、誰でもアスベストの検出と判定を行うことができるという。