侵略的外来種が生物多様性に与える影響は面積によって異なるとの研究結果を、アメリカ、ワシントン大学の生物学者チームが発表した。従来の研究では、外来種による生物種への影響について相反する結論が出ていたが、研究チームは過去の研究結果を分析し、調査区画の面積が小さいと外来種による生物種減少が大きく、面積が大きいとその影響が少ないとのパターンを見出した。さらに、規模への依存性をフィールドで調査するため、外来種侵入の最前線を含み、異なる生態系を持つ国内の3か所を選定。1~500メートル四方の面積の異なる区画を設けて単位面積当たりの生物種をカウントし、区画面積毎の種数を比較したところ、外来種が侵入した小面積では生物種が減るが回復も早いこと、大面積では影響がほぼないことなどが判明したという。研究チームは、小規模な植物群に対する侵入種の影響は大きく、水管理や栄養循環等の生態系サービスには、小規模の生態系も重要になることから、外来種対策は不可欠だとしている。