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 アメリカ研究者ら、侵入種が生物の種分化を阻み大量絶滅を引き起こすとの研究結果を発表

発表日:2010.12.29


  侵入種が新たな生物種を誕生させる自然のプロセスを阻み、大量絶滅を引き起こす可能性があるとの研究結果が、2010年12月29日、『プロスワン』誌に発表された。この研究では、3億7000万年前のデボン紀後期に起きた海洋生物の大量絶滅について系統発生解析を行った。その結果から、生物多様性が失われつつある現在の生態系も、同様の大量絶滅に向かう可能性があるという。同研究によると、デボン紀後期は、巨大魚や三葉虫、海綿動物、サンゴなどの海洋生物が激減したが、種の絶滅数自体は自然の絶滅速度を上回るものでなく、新種がほとんど誕生しなかったことが、生物多様性の危機を招いたという。そして、新たな種分化が阻まれたのは、海面上昇や大陸の形成によって、一部の生物種が新たな生息環境に侵入し、その環境下で様々な食物を栄養源に成長できる種が優占種となった際に、これらの侵入種の繁殖力が高かったためだという。研究者らは、現在、人間活動によって世界中で侵入種が増加するなか、新種形成の保護を重点的に行うことが生物多様性の保全に役立つとしている。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 自然環境
キーワード 海洋生物 | 生物多様性 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 絶滅 | サンゴ | 侵入種 | デボン紀 | 人間活動
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