ドイツ連邦内閣は、連邦政府の第3次土壌保全報告を承認した。報告によると、近年、有害物質による土壌汚染は大幅に軽減され、現在、最重要課題とされているのは、水や風による土壌の浸食、堅密化や腐植土の損失を抑止することだという。土壌は人間や動植物の生息地であり生活基盤でもあり、ドイツにとっては経済発展にも関わる重要な資源だが、対策が講じられないと土壌の劣化が進み、生態系の中で果たす役割が十分に果たされなくなるおそれがある。これまで土壌保全の取組においては、有害物質による人間や環境への危険の緩和を目的とした土壌汚染対策が重点となっていたが、1998年と1999年に制定された連邦土壌保全保護法および連邦土壌保全規則により、かなりの改善がみられている。連邦議会は連邦政府に対し、土壌保全の成果について報告書をまとめることを求めており、これまで2002年と2009年に報告書が提出され、今回が3回目となる。