欧州環境局(EEA)は、欧州の草原に生息するチョウ類の個体数が1990~2011年でほぼ半減したという報告書を発表した。草原のチョウ類は、他の陸上昆虫類の増減傾向の指標とされ、その個体数減少は、生物多様性と生態系の健全さ、農業にも警鐘を鳴らすものだという。この報告書は、チョウ17種の個体数を調べたもので、欧州19カ国、約3500地点で、数千の専門家やボランティアが実施した20年間の調査に基づいている。報告書では、個体数減少の原因として土地利用の変化を挙げ、生産性の高い平坦な草原の耕地では農業が拡大し、農薬を用いた集約的農業や草原の均質化によって生息地が減少したとしている。一方、草原の中でも生産性の低い山間や湿地の耕地については、収益が上がらずEU共通農業政策(CAP)の支援も乏しいなどで放棄され、適切な管理が行われなくなるという社会経済的な要因を挙げている。欧州の草原保全が十分に保護されていないという状況は「EU生物多様性戦略」等でも報告されており、今後CAPの支援方法も見直されるという。
情報源 | 欧州環境局(EEA) プレスリリース |
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国・地域 | EU |
機関 | 欧州環境局(EEA) |
分野 | 自然環境 |
キーワード | 生物多様性 | 土地利用 | EEA | 農業 | 生息地 | 農薬 | 指標 | 草原 | 欧州環境局 | チョウ |
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