欧州環境局(EEA)は、欧州大陸に生息するコウモリ45種のうち、16種が1993年から2011年にかけて43%増加したとする調査結果を発表した。2003年以降も比較的安定傾向にあるという。この調査は、個体数傾向を欧州規模で示す指標を作成し、欧州域内9か国、10のモニタリング計画のデータをまとめた初めての包括的調査で、6000地点の冬眠個体数を数え、分類した。コウモリは、長寿命で繁殖速度が遅いため、気候の変化のほか、農業の拡大や土地利用の変化、生息地の分断・劣化、木材に使用された有毒な化学物質による汚染等、環境及び人的な影響を受けやすく、過去、特に20世紀後半に激減した。その後、欧州におけるコウモリ保全の協定(EUROBATS)の下で、国及びEUレベルで保全のための法規制、種と生息地の保護、広範な意識啓発活動等が行われており、EEAはこうした取組が功を奏したとしている。しかし、依然として、多くの種が絶滅の危機に瀕しており、生息地の保全とさらなる包括的調査が必要だという。