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 大気中CO2は濃度上昇とともに季節的増減幅も拡大、アメリカの研究チームが報告

発表日:2013.08.08


  スクリップス海洋研究所などの科学者チームが、50年前と最近の大気化学航空調査データを比較し、大気中CO2は濃度が上昇するとともに季節的増減幅も拡大していると報告した。このチームは、航空機を使い、多年度にわたり両極間の大気の化学組成を調査して地球対流圏の全体像をとらえる研究を行っている。2009~11年の観測データを1958~61年の空軍のデータと比較したところ、大気中CO2濃度は大きく上昇しただけでなく、季節変動の幅も北緯45度以北の高緯度地域で過去50年間におよそ50%増加したという。大気中のCO2濃度は、植物の光合成と呼吸によるCO2吸収・放出量の増減に合わせて毎年季節変動を繰り返すことが知られており、この結果は、昔に比べ、北半球の夏場に森林や土壌中へ固定される炭素の量が増え、逆に冬場の放出量が増えていることを意味する。気温やCO2濃度が高いと植物の活動性は高まるが、過去50年の変動幅の拡大はこれらの効果で予想されるより大きく、季節変動幅拡大の正確な理由はまだ不明だという。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 地球環境
キーワード CO2 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 植物 | 北半球 | 吸収量 | 大気中濃度 | 放出量 | 季節変動
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