熱帯林が大気中から吸収する二酸化炭素の量は、マメ科樹木と根粒菌の共生関係による窒素固定作用で決まる、という研究結果が「ネイチャー」誌のオンライン版に発表された。マメ科樹木と根粒菌は、大気中の窒素を固定して天然の窒素肥料を生産するという重要な機能を果たしている。しかしそれが炭素シンクにどれほど寄与するかについてはこれまで知見がなかった。今回の研究では、5~300年前に農業や木材伐採などの人間活動に利用された後に森林として回復しているパナマの16の森林地を調査した。その結果、マメ科樹木があると樹木の成長が促されて森林が急成長し、回復後最初の12年間でかなりの炭素シンクとなること(1ヘクタール当たり50トンの炭素、二酸化炭素にして約185トンを収容できる)、マメ科樹木による窒素肥料の生産はその後衰えるが、それでもマメ科以外の樹木の最高9倍の速さで炭素を取り込むこと、マメ科樹木の窒素固定作用の時期と量は樹種によって異なるため、マメ科樹木の多様性が森林の炭素吸収量を左右すること等が示された。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 自然環境 水・土壌環境 |
キーワード | CO2 | 森林 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 熱帯林 | 吸収量 | 根粒菌 | マメ科 | 窒素固定 |
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