アメリカ国立大気研究センター(NCAR)の科学者らは、大気中の温室効果ガス濃度の高まりが、約1万4700年前のアフリカの急激な降雨増加(湿潤期)を引き起こした一因だとする研究成果を発表した。従来の研究では、アフリカの湿潤期は地球公転軌道の変化によるものとされていたが、それだけでは赤道以北と以南の異なる地域が同時に湿潤期に入った理由が説明できなかった。今回の研究のシミュレーションでは、最終退氷期に氷床の融解で流入した淡水によって大西洋の大規模な海流が弱まり、その影響でアフリカ同地域の降雨量は一時減少したことが示された。その後、融解が収まると共に海流が再び強まり、湿潤な状態に戻ったという。また、同時期に大気中の温室効果ガスが急増し、1万1000年前までにほぼ産業化前と同水準にまで達した。これらの地球公転軌道と海流の変化、温室効果ガス濃度の高まりが組み合わさり、降雨量が増加したという。研究チームは、この研究成果は現在進行する温室効果ガス濃度の増加がアフリカの気候に将来大きな影響を及ぼし得ることを示すとしている。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
---|---|
国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | 温室効果ガス | アメリカ国立科学財団 | NSF | NCAR | 気候 | アフリカ | 降雨 | アメリカ国立大気研究センター | 大気中濃度 | 湿潤期 |
関連ニュース |
|