過去270万年にわたり、赤道付近の海水温と北半球の氷床規模は同期して変化し続けており、それを牽引しているのはCO2であるとする研究成果を、アメリカのブラウン大学を中心とした研究チームが発表した。研究者らは、アラビア海や東太平洋など熱帯4海域の海底から堆積物コアを採取し、それに含まれる海洋微生物由来の化学成分を分析することで、各時代の海面温度を推測。その結果、270万年前以降、氷期が到来するたびに、熱帯の海水温も1~3℃降下しており、その変化パターンは赤道海域全体に広く見られることがわかった。また、氷期の周期が4万1000年から10万年に変わったときも、熱帯の海水温は同調して変化したという。これまでの南極氷床コア調査でわかった過去80万年分のCO2濃度変化から、各氷期においてCO2濃度は30%低下し、その大半は北大西洋や南極海等の高緯度域の海洋に吸収されたものと推測されている。今回の成果によれば、この変化パターンは270万年前に始まり、氷期が回を重ねるにつれ、海洋に吸収されるCO2は増加したとみられるという。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
---|---|
国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | CO2 | 気候変動 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 海水温 | 赤道海域 | 堆積物コア | 氷期 | 南極氷床 |
関連ニュース |
|