スウェーデン政府のオオカミに関する調査委員会は、人間とオオカミの共存に向けた政策措置に関する最終報告書を環境大臣に提出した。同国では、野生オオカミの個体数が過去10年間で約80頭から400頭に増えている。しかし、生物多様性の保全を目的としたEU生息地指令等を背景に、その駆除と保護を巡って意見が対立していたため、様々な利害関係団体が一同に会し討議する場として、調査委員会が設置された。同委員会はすでに、捕食動物に関する政策案についてポジションペーパー(統一見解)を提出しており、今回の報告書では、人間とオオカミの共存に向け、国内のすべての部門から幅広い支持を得た各種政策措置を提言した。具体的には、同国議会が明確なガイドラインを設けること、また環境保護庁がオオカミの好ましい保全状況を適宜判断した上で駆除・狩猟を許可し個体数を管理すること等を求めている。今後この報告書は、2013年8月30日の専門家協議会で検討され、関係政府機関の作業を経て、捕食動物に関する政府法案に組み込まれるという。