アメリカ環境保護庁(EPA)は、土壌や植物の自然な濾過作用を利用して都市水系の水質を守るグリーンインフラを研究するため、ヴィラノヴァ大学など国内の5大学に500万ドルの資金提供を行うと発表した。これは、EPAとフィラデルフィア市の「グリーンシティ・クリーンウォーター計画」が協力し、同市をパイロット地域として行うもので、都市におけるグリーンインフラの短期・長期の利益や経済的有効性を評価する機会になるという。EPAは、この研究を通じて得られる知識が、安全で持続可能な水供給のために全国に適用できるとしている。現在、都市部では、暴風雨の発生時に合流式下水道から越流する汚水の河川への流入が問題となっている。フィラデルフィアでは、雨水管理システムなどグリーンインフラへの幅広い長期的な投資を進めており、こうした問題に先駆的に取り組んでいる。ナッター市長は「グリーンインフラは、都市の水質向上だけでなく、空気の浄化、緑地の再生、新たな経済チャンスの創出などにもつながり、市民に多くの利益をもたらす」と述べた。