欧州環境局(EEA)は、水質に関する新たな指標により、欧州では栄養塩や貴金属による水質汚染が減少しており、経済成長からの「絶対的デカップリング」が進んでいると発表した。「絶対的デカップリング」とは、経済が成長する一方で、環境への影響が減少する状況を意味し、多くの環境政策の目標となっている。一方、相対的デカップリングは、環境影響は増えているが、成長の度合いに比べれば少ないことをいう。EEAによると、欧州では全体的に人口が増加し経済的生産性が向上しているにもかかわらず、各家庭から排出される栄養塩類や、農業や工業に起因する重金属などによる水質汚染が減少しているという。富栄養化の主な原因である栄養塩汚染は、いまだ深刻な環境問題を引き起こしているものの、概ね望ましい方向に進んでいることが示されている。しかし国別でみると、生産性が低下、あるいは汚染物質排出量が増加するなど、絶対的デカップリング傾向を示していない国もあるという。