気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、第5次評価報告書のうち気候変動の影響・適応・脆弱性を扱う第二作業部会報告書の最終決定に向け、2014年3月25~29日に横浜で総会を開催する。総会には世界各国の政府代表や科学者が参加し、報告書の政策決定者向け要約(SPM)を詳細に確認した後に承認し、3月31日に公表することになっている。また、SPM、技術要約及び30章の本文からなる報告書全文も受理され、草案がSPMと同時に公表される。第二作業部会のクリス・フィールド共同議長は、「この報告書は、すでに起きた気候変動の結果と、起こりうる未来のリスクを考察した。効果的な対応策の特定と課題の理解とを、ともに重視している」としている。今回の報告書では、関係する科学・技術・社会経済文献から得た知見が従来よりも格段に多く、広範な論点やセクターにわたる包括的な評価につながったという。報告書の作成には、主執筆者、査読編集者として309名が、また執筆協力者として436名が、ボランティアで作業に当たった。