欧州環境局(EEA)は、気候変動に関する指標13項目(気温、降水、氷河、積雪、永久凍土、海面上昇等)の最新データを公表した。これは、2013年9月に発表されたIPCC第5次評価報告書の情報に、最新データと欧州関連の情報を加えたもので、気候変動の観測結果と今後の予想をグラフや地図、簡潔な分析で提示している。それによると、2004~2013年は欧州で観測史上最も気温の高い10年となり、海水温や海面の上昇、積雪面積や氷床等の縮小など、欧州にとって重大な変化が観測されたという。世界全体の過去10年間の年平均気温は産業革命前に比べ0.75~0.81℃上昇、2014年5月、6月の月平均気温は過去最高となった。今回のデータ更新では、今後の海面上昇の予測を新たな気候モデルに基づき上方修正するなど、予測の改善も行われている。現在欧州では、多くの国や自治体で気候変動への適応に取組んでおり、その事例(オランダの氾濫原整備、スペインの節水活動など)が、オンラインサイトClimate-ADAPTで紹介されている。