アメリカ航空宇宙局(NASA)は、大気中の温室効果ガス(GHG)の増加で世界の気温と降水量がどのように変化するかを地域レベルで示す、詳細なデータ集を公開した。これは、観測データと最良の気候モデルを使った予測データとを統合したもので、1950~2100年の期間について、世界中の日次の気温と降水量を25km単位で表示する。気候変化の予測は、「現状維持の場合」と「排出量が著しく増えた場合」の2つのGHG排出シナリオに対応しており、NASAは、こうした地域レベルの詳細なデータがあれば、干ばつ、洪水、熱波、農作物被害などの気候リスク評価に役立つとしている。これらのデータは、NASAのスーパーコンピューターを使ったビッグデータ研究プラットフォーム、「NASA地球エクスチェンジ」(NEX)で作成された。NEXのデータと分析ツールはAmazonのウェブサービスを通じて公開されており、こうした気候データが利用しやすくなることで、温暖化への備えになることが期待される。