フランス環境エネルギー管理庁(ADEME)は、食品廃棄物を減らす一手段として「グルメバッグ」を推進している。これはレストランでお客が食べきれなかった料理の残りを持ち帰るための容器で、英語でドギーバッグと呼ばれるもの。食品廃棄物全体のうちレストラン産業の排出量は14%を占め、一人約230グラムの食品が毎回の食事で廃棄されていることになる。食べ残しを持ち帰ることは、主に文化的習慣による抵抗があるといわれるが、お客にとっては支払った料金を無駄にせずにすみ、レストランにとっては、バッグを提供することで環境、経済、倫理的意識が高いことを示す機会になる。また2016年以降、1日当たり180食以上を提供するレストランは、食品廃棄物を分別し再資源化することが義務付けられるため、レストランの経済的課題でもある。食品廃棄物削減への取組の一環として、ADEMEは、2014年12月9日、このグルメバッグをはじめ各種の事例や知見を交換するシンポジウムを、リヨンで農業省と共に開催することにしている。