イギリス気象庁(MetOffice)は、2100年までのイギリスの気候の変化を季節レベルで詳細に予測する研究成果を公表した。同庁では既に「イギリス気候予測2009(UKCP09)」で、30年ごとの平均に基づき、将来のイギリスの気候を予測しているが、今回の研究では、この長期的な傾向と年変動との組み合わせが各季節にどのような影響を及ぼすかを詳細に分析した。それによると、地球温暖化によって極端に寒い冬と雨の多い夏が到来する確率は低下するものの、年によってはそうした気候も発生し得るため、備えが必要だという。研究では、特定の気候の季節が訪れる確率を定量化している。例えば、平均より寒い冬が訪れる確率は、2020年の約20%から2100年には4%に低下し、平均より雨の多い夏が訪れる確率は、今後20年間は35~40%だが2100年には約20%まで低下するという。一方、極端に雨の多い夏(1961-90年平均より20%降雨量が多い夏)が到来する確率は、2020年は18%で2100年でも10%にとどまるという。