国連環境計画(UNEP)は国際山岳デーの12月11日、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)のイベントで、山岳地域の気候変動への適応状況を地域別にまとめた一連の報告書を発表し、生態系に配慮した適応策の加速・強化を呼びかけた。山岳地域は水やエネルギーなど様々な財・サービスの供給源である。報告書は、山岳地域が直面する気候変動による脅威について、水源である氷河や永久凍土の融解(パミール・アライ山脈、天山山脈)や、農作物を高緯度地域へ移す必要に迫られる農家(アンデス山脈のじゃがいも栽培)等の具体的事例を挙げるとともに、適応策の迅速な実施、地域・国際レベルでの知見の共有、長期的視野に立ち生態系に配慮した政策決定を提言し、山岳地域に注目した政策の強化を求めている。なお、このイベントには、世界の様々な山岳地域の国々から代表者が参加した。参加者は、山岳地域と気候変動の対策を地域間・地域・国レベルで優先課題とし、既存の技術・資金支援メカニズムの活用や知見の共有を促進する決意を表明したという。