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 アメリカの科学者ら、海水温の上昇が植物プランクトンに及ぼす影響を分析

発表日:2016.10.20


  アメリカ国立科学財団(NSF)の助成を受けたアメリカの科学者らは、13年間にわたってマサチューセッツ州沿岸付近の海洋生態系で、普通に存在する極小の植物プランクトン「シネココッカス」の量を追跡調査した研究成果を発表した。それによると、海水温が調査期間中に経時的に上昇するのに伴い、シネココッカスの毎年の大発生の時期が最大4週間早まったという。これは海水温の上昇と共にシネココッカスの細胞分裂の速度が上がったことによるが、大発生の全体的な規模に大きな変化はなかった。これは、原生動物やウイルスなどの単細胞生物がシネココッカスを捕食・消費する速度も上がったためだという。大発生の早期化や細胞分裂の活発化に単細胞生物が対応できなくなると、一部の生態系は小型の植物プランクトンに優占され、最終的には魚類、クジラ、鳥類などの大型の生物に影響を及ぼす可能性がある。そのため、科学者らは海水温の上昇に伴う植物プランクトンの大発生の変化に単細胞生物がどの程度安定的に対応できるのかを調べることが重要だとしている。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 自然環境 水・土壌環境
キーワード アメリカ国立科学財団 | NSF | 海水温 | 海洋生態系 | 水温上昇 | 植物プランクトン | シネココッカス | 単細胞生物
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