ペンシルベニア州立大学を中心とする国際研究チームは、同属のサンゴでも種によって海水温上昇への対応が異なるとの研究成果を報告した。気候変動による海水温上昇で各地のサンゴ礁が危機に瀕しているが、この研究から、サンゴの種によって生存率に差が出ることが示唆される。同チームが太平洋東部でハマサンゴ属のサンゴを採取したところ、よく似た同属の2種のサンゴ、Porites lobataとPorites evermanniが同じ場所で併存していた。研究の結果、この2種は外見が酷似しているが、遺伝子構造が大きく異なり、前者は海水温上昇によって白化しやすく、有性生殖のみを行うのに対し、後者は白化しにくく、クローンによる無性増殖が可能という相違点が判明したという。サンゴにとって厳しい環境下では、雌雄が揃う必要のある有性生殖に比べると、断片から新たな個体が育つクローン増殖は有利と考えられる。また、白化しやすさの差については共生する藻類の差が疑われたが、この2種のサンゴに共生するのは同じ藻だったため、報告は、白化耐性の差はサンゴ自体に原因があるようだとしている。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 自然環境 水・土壌環境 |
キーワード | 気候変動 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 白化 | 太平洋 | 海水温 | サンゴ |
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